翻訳クラブ

英語圏部会では、せりふの翻訳を指導しております。

コロナ禍前にはプロを養成するコースのみを行っていましたが、一旦の休止を経て、門戸を広げて自由にご自分のペースで参加する、社会人クラブ活動のようなかたちで、演劇と翻訳を楽しんでいただける会を作ろうと、2024年秋、「翻訳クラブ」を発足いたしました。

英語と演劇と文章を書くのがすきなすべての人に、「そうそう、こういうのを待っていた!」と思っていただける、「翻訳クラブ」です。

下記バナーをクリックして、翻訳クラブの詳細をご覧ください。
プレゼントもご用意しています。

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プロ養成講座について

プロを養成する戯曲翻訳通訳者養成オンラインコースでは、厳しい訓練を経て修了なさったかたには国際演劇協会日本センター英語圏部会からの認定証を授与しております。

今からプロをめざすかたも、翻訳クラブにご入会ください。プロ用の(ちょっとお高めだった)講座が全て無料で学習できます。認定証取得を目指す方には、個人指導(別料金)をお勧めしています。が、それを考える前に、まずは翻訳クラブへ!

プロ養成講座は、コロナ禍前の2018年から1期生、2期生、3期生とおこない、コロナ禍ではお休みいたしました。2024年からは、個人指導型としてさらにきめ細かいサポートを行いながら、二人三脚であなたがプロの翻訳者になるお手伝いをいたします。

❗️ここで言及する「プロ翻訳者」とは、演劇・ミュージカル・オペラ・文学・映画・ドラマ・アニメなど、キャラクターが存在して主に台詞で物語が進行する芸術を専門に翻訳するひとのことを指します。私たち英語圏部会が育てているのはその分野の専門家です。

卒業生はその経験を活かして、さまざまな芸術系・文学系翻訳関連分野で活躍中です。代表者に経験者の声を寄せて頂きました。

石井あつこ

いしいあつこ
⚪︎略歴
 私は、とある英語教室でテューターをしていた頃に、三輪えり花先生と知り合いました。シェイクスピア作品や童話を題材に表現活動をする教室でしたので、教材研究や研修で会社がお招きしたからです。英語と日本語の物語に取り囲まれ、役になっての劇活動が日常でした。

そんな中、おのずと演劇に興味を持っていきましたが、「翻訳者養成講座」が開講になったとき引き込まれたのは自然の流れでした。
 養成講座では戯曲の基本から教えていただき、先生方と一緒に楽しみながら、言葉を紡ぎ出しました。作品ができた時の喜びは、なんとも言えません。本物の俳優さんたちが作品を演じて、文字だった作品が、たちまち生きて動き出すのを目の前で何度も味わったのです。

⚪︎修了作品:
『ドロシーとオズの魔法使い』
 これは著名な童話を基に、イギリスの劇作家が観客参加型のドラマにしたものです。私は英語教室で子どもたちが取り組むようなつもりになって、楽しく翻訳し、ついに認定証をいただきました。発表の公演では、衣装も小道具も部会の皆さんが工夫して、当日は幼いひとたちも交じえたお客様たちと「オズ」の世界を繰り広げました。

⚪︎プロ作品 
 その後、コロナ禍の中で、オンラインでクリスマスのお話を届ける取り組みが始まり、アメリカの作家 O.ヘンリーの作品『賢者の贈り物』を脚色する仕事を拝命しました。原作を読み込むと、とても温かさが伝わってきました。それをことばで描き出したいと奮闘しました。リーディング公演はおかげさまで好評を得て、通例のクリスマス行事となっております。
 2022年12月には、国際演劇協会日本センター英語圏部会が主催した【アイルランド発✈ 対立と融和をめぐるモノガタリ 〜 現代新進作家とアイルランド演劇の母による3作品】で、『出られないふたり』を日本で初めて翻訳・上演しました。100年前のアイルランドで、幼馴染の老人がふたり、入所しているイングランド政府による貧民救済施設での、切なくて歯痒くて人間くさい遣りとりを、アイルランド英語に苦労しながら日本語のリズムに書き出しました。組み合わされたもう一方の作品もそうですが「歌」が軸ともなっていて、命が吐き出されるようで、俳優たちが演ずるとオモシロどたばた劇となり、いたく感激しました。

 戯曲翻訳は、作品に触れるときと訳するとき、そして演じられる時は世に送り出したような、違った喜びが三度おとずれるとても幸せな仕事です。Come and join!

斎藤健志

さいとうけんじ
修了作品は、ジョン・モーティマー作『エドウィン』。これはウィットとひねりの効いたイギリス現代劇。3種類の異なるステイタスのキャラクターが、それぞれの立場を表す口調や雰囲気、お酒に酔ってそれらが崩れカジュアルになったり、喧嘩になったりする流れを、巧みに、自然な日本語に置き換えた素晴らしい翻訳で認定証を取得。コロナ禍の真っ最中でもあり、この作品は、修了公演としてzoom発表会を行った。

プロとしての一作目は、2022年12月の、国際演劇協会日本センター戯曲翻訳部会主催【アイルランド発✈ 対立と融和をめぐるモノガタリ 〜 現代新進作家とアイルランド演劇の母による3作品】で、アイルランド独自の演劇が生まれた100年前の戯曲『月が昇れば』。アイルランド国内の、イングランド派と反イングランド派の対立を2人のキャラクターが象徴する作品で、鄙びた田舎者に身を窶した革命家と、それを追う警官との緊迫した状況下で生まれる心の交流を、柔らかく親しみやすい言葉に翻訳するよう努め、好評を博した。