稽古場日誌 Aプロ衣装覗き見

Aプログラム『月が昇れば』は、イングランドの支配下にあるアイルランドの話です。

イングランドの法律のもとにいるので、警察や軍に勤める人は、アイルランド人であるにもかかわらず、イングランド側についているわけです。

けれど生粋のアイルランド人の多くは、「アイルランドはアイルランドに」と思っている。警察は、それを取り締まらなくてはなりません。

つまり、同じアイルランド人なのに、アイルランド人を取り締まらなくてはならないわけです。つらい〜！

今回の演出では、それらを、いつの時代にも、どんな国でもありうるものとして、「体制側vs民衆側」と捉えることにしました。

史実考証で制服もイングランドにするのは簡単でしたが、どんな国や状況下でも常にありうることしょう、という思いを明確にするために、あえてイングランド色は廃し、象徴的な衣装を考案しました。

この2人の胸の内にもさまざまな思いが去来します。